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私たちが叶える日

紅葉の銀杏並木を
散歩したい

岩間猛さん85

高校・大学時代にラグビー選手として活躍したという岩間猛さんは「母から『怪我をするからラグビーなんかやめて』と何度も言われました。怪我なんかしないと思っていましたが、覚えているのは鎖骨骨折をしたことですね」と当時の思い出を振り返ります。実は、一歳年下の奥様・弘子さんとの出会いもラグビー場でした。
「妻はラグビーのルールをまったく知らないのですが、なぜか大学の時、友人たちと何度か私たちの練習を観戦しに来ていたんです。数回話をしましたが、ある時からまったく来なくなり、もう会うことはないだろうと思っていたら、偶然再開して、いつしか結婚しました。私は常に『縁があって、運が向く』と思っています。妻との再会も何かの縁があったから、運が向いて結婚したのかもしれませんね。その妻とも今は別々に生活をしていて、妻は一人暮らしです。心配なことも多いのですが、よく施設へ来てくれて色々な話をしています」

そんなお二人の願いは、「秩父宮ラグビー場のバックグラウンドが見える東京・神宮外苑の銀杏並木を歩きたい」というもの。
「学生時代に数回、秩父宮ラグビー場で試合をしたことがあって、社会人になってからも、チケットが取れれば観戦に出かけていました。70歳くらいまでは行っていたかな。神宮の銀杏並木は自宅からも近かったので、よく並木道を通って美術館にも行っていました。久しぶりにあの眺めを楽しみたいと思ったんです」

お二人が揃って出かけたのは、ちょうど銀杏が最も美しく黄金色に輝く秋の日。昔を思い出すように、ゆっくりと散歩して二人だけの時間を楽しみました。
「秩父宮ラグビー場のバックスタンドを見たとき、懐かしくて、思わず涙してしまいました。と申しますのも、8年程前から目が見えにくくなり、外出も少なくなってきて、もう銀杏並木やラグビー場を見ることはないのかもしれないと思っていたからです。ラグビーはスクラムから出てきたボールをどこへ投げるかの頭脳戦。毎日コーチや先輩には怒られていましたが、今思えば良い人生経験をさせていただいたと思っています。これからの若い人たちも、どんどん失敗して怒られて成長して欲しいですね。そして人生経験を積み、良い人と出会って欲しいです」。

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