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老人ホーム豆知識

ホームヘルパー(訪問介護員)とは

介護保険

利用者の自宅を直接訪問して、入浴、排せつ、食事等の介助などの「身体介護」や調理、洗濯、掃除等の家事といった「生活援助」を行うのが訪問介護員(ホームヘルパー)です。訪問介護員は、介護・福祉系の学校や介護事業所で「身体介護や生活支援に必要な知識や技術」を学び、資格を取得した介護福祉士や介護職員初任者研修修了者等、生活援助の知識を持って業務にあたる方が多いです。

サービスの利用方法

要支援・要介護の認定を受けた方は、介護保険の制度を利用してサービスを受けることができます。認定を受けていない方は介護保険の制度を利用せず、自費でヘルパーを利用することもできます。

介護保険を利用してサービスを受けるには?

要介護認定の申請

要介護認定申請書に記入のうえ、市区町村の担当窓口に申請します。原則本人が申請しますが、家族や地域包括支援センター等による申請代行も可能です。

介護認定の通知

申請日から30日以内に市区町村から介護サービスを利用する本人(被保険者)へ郵送で通知されます。その際、被保険者証に該当する要介護状態区分が記載されます。認定は申請日に遡って効力が生じます。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の決定

要介護1以上の場合は、居宅介護支援事業所にケアマネジャーの選任を依頼します。なお、居宅介護支援事業所は市区町村の担当窓口や地域包括支援センターでも紹介してくれます。また一度決定したケアマネジャーであっても、利用者本人や家族の意向によって変更することもできます。

ケアプランの作成

ケアマネジャーがご本人のご自宅へ訪問し面談を行います。面談から得られた情報を基にどのようなサービスが必要かを盛り込んだ「介護サービス計画書(ケアプラン)」を作成します。

事業者の選定と契約

ケアプランに基づき、実際にサービスを受ける訪問介護事業所と直接契約を結びます。

訪問介護サービス利用開始

訪問介護サービスが開始されます。訪問介護員には、できること、できないことがあります。医療行為や同居している家族のケアまでお願いしたりはできません。サービス利用前にお願いできること、できないことを確認しておきましょう。

ホームヘルパーにできること・できないこと

訪問介護のサービス内容

訪問介護はその行為の内容に応じて次の3類型に区分され、下記のように生活の上でのサポートが中心となっています。

身体介護

  • 利用者の身体に直接接触して行われる介助サービス。
  • 利用者のADL・IADL・QOLや意欲の向上のために利用者と共に行う自立支援・重度化防止のため、専門的知識・技術をもって行われる。
  • 排泄介助、食事介助、清拭、入浴介助、更衣介助、体位変換、移乗・移動介助、通院・外出介助、起床・就寝介助、服薬介助、自立生活支援のための見守り的援助等。

※一定の研修を受けた介護職員は一定条件の下、痰の吸引および経管栄養を行なうことができる。

生活援助

身体介護以外の訪問介護であって、調理、掃除、洗濯、買い物・薬の受け取り等の日常生活の援助であり、利用者が単身の場合や、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に提供されるサービス。

通院等乗降介助

  • 要介護者である利用者の通院等のための乗車又は降車の介助。
  • 移動等の介助と通院先もしくは外出先での受診等の手続、移動等の介助を行うサービス。

訪問看護

医師の訪問看護指示書により医療行為や療養上のケアを行うのが訪問看護です。提供できるのは医療行為が許されている資格の看護師やセラピストで、ホームヘルパーには行うことができません。

療養上のお世話

  • 清潔ケア(清拭、入浴介助等)
  • 栄養管理(食事介助、嚥下評価、脱水予防等)
  • 排泄管理(導尿や排泄コントロール、ストーマ管理、おむつ交換等)
  • 療養環境の整備(適切な福祉用具の使用等)
  • コミュニケーション

病状のチェック

  • バイタルサインのチェック
  • 疾患の状態のアセスメント
  • 必要時にはかかりつけ医と連携

医師の指示による医療処置や医療機器の管理

  • 医師の指示に基づく、点滴注射・経管栄養管理・褥瘡処置等。
  • 医療機器や器具使用者のケア(カテーテルの管理、在宅酸素療法管理、吸引、人工呼吸器使用上の管理等)
  • 疼痛、血糖コントロール等
  • 服薬管理
  • 急変、急性増悪等による緊急時対応(24時間体制)

ターミナルケア

  • 疼痛、苦痛の緩和ケア
  • 療養環境の調整・相談・アドバイス
  • ご本人・ご家族への精神的支援
  • ご遺族へのグリーフケア

床ずれ予防・処置・状態悪化の防止

  • 褥瘡・拘縮・肺炎・低栄養等の予防
  • 寝たきり予防のためのケア
  • 褥瘡処置

在宅でのリハビリテーション

  • 体位変換、ポジショニング、関節可動域訓練等の実施と指導
  • ADL・IADLの維持・向上のための訓練
  • 福祉用具(ベッド・車椅子・手すり等)の利用支援
  • 外出・生活の自立・社会復帰への支援

認知症ケア

  • 認知機能低下予防のための訓練や周辺症状に対するケア
  • 中核症状、BPSD(認知症の行動・心理症状)に対するケア
  • 睡眠、食事等生活リズムの調整
  • 家族等介護者支援
  • コミュニケーション

精神科訪問看護

  • 精神症状に対する看護
  • 睡眠、食事等生活リズムの調整
  • コミュニケーションの支援
  • 症状管理・服薬管理・相談
  • 掃除、洗濯、買い物、料理、金銭管理等日常生活の自立支援
  • 服薬、デイケア、外来通院等医療の継続支援
  • 就労等、社会生活復帰への支援

ご家族等への介護支援・相談

  • 介護方法の指導
  • 社会資源等についての相談・アドバイス
  • 精神・心理状態の安定化のケア

入院退院時の支援

  • 入退院時の連携(医療処置・ケアの引継ぎ、在宅医療・看護体制整備)
  • ケアマネジャーや病院等との連携

訪問看護と訪問介護の同時利用は可能?

原則、自宅への訪問サービスを、同一日の同一時間帯に複数利用することはできません。ただし、例えば入浴の介助をする場合などで、状態管理や初回導入時等の理由で訪問看護と訪問介護を、同一時間帯に利用することが必要とされると認められる場合に限り同時利用が認められており、それぞれのサービスについて所定単位数が算定されます。このようなケースでは 訪問看護と訪問介護の両方のサービスを利用することで、より快適で安全な生活をしていただくことができるといえます。

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