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老人ホーム豆知識

【専門家が徹底解説】介護老人保健施設(老健)とは?費用・入所条件から特養との違いまで

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「介護老人保健施設(老健)とは、病院と自宅の間に位置し、医学的管理のもとでリハビリテーションを行いながら在宅復帰を目指す公的な介護施設です。
対象は原則65歳以上・要介護1以上の方で、入居一時金は不要、入所期間は原則3〜6ヶ月です。
本記事では、費用・入所条件・「3ヶ月ルール」の実態・特養との違いまでを解説します。

この記事の要点

利用料の多くが医療費控除の対象になる

老健は在宅復帰を目指す「中間施設」で医療・リハビリが充実

入所条件は原則65歳以上・要介護1以上で病状が安定していること

初期費用は不要。月額は所得や居室タイプで大きく変動

「3ヶ月で強制退所」ではなく3ヶ月ごとに退所判定を実施

この記事の監修者

  • 桜十字グループ CQ本部 部長 中川朋子
  • 桜十字グループ CQ本部 部長

    中川 朋子

    九州大学大学院医学系学府医療経営・管理学専攻修了(MBA)。
    福岡大学病院にて副病院長兼看護部長を務め、同大学医学部で集中看護教授としても教鞭を執る。
    看護師資格に加え、GCS認定コーチの資格も有する。
    2015年には福岡県知事表彰を受賞。

介護老人保健施設(老健)とは?どんな施設?

老健の正式名称は「介護老人保健施設」で、介護保険法に基づく公的な介護施設です。病状が安定している要介護者に対し、医学的管理のもとで看護・介護・リハビリテーションを提供します。

最大の特徴は「在宅復帰」を目的としていることです。多くの介護施設が「終の棲家」としての役割を持つのに対し、老健は「自宅に戻るための準備期間を過ごす場所」という位置づけで、病院と自宅の中間に位置する「中間施設」とも呼ばれます。
厚生労働省も老健を「在宅復帰支援施設」と位置づけており、多くの施設が在宅復帰率を目標に運営を行っています。

老健の目的は?

利用者さまが自立した日常生活を営めるよう支援し、最終的に自宅へ戻れるようにすることが目的です。
医師・看護師・リハビリ専門職・介護福祉士・管理栄養士・支援相談員など、多職種のチームがケアにあたります。

医療ケアとリハビリはどのくらい充実している?

老健には常勤の医師(施設長)が配置されています。
特養など他施設では医師が非常勤であることも多い中、日中医師が常駐している点は医療ニーズの高い方にとって安心材料です。
看護師も24時間体制で配置されていることが多く、服薬管理・喀痰吸引・経管栄養などの医療処置に対応できます。

リハビリ面では、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)といった専門職の配置が義務付けられており、特に入所直後の3ヶ月間は自宅での生活を想定した集中的な機能訓練を受けられます。
「治療は終わったが体力が戻っていない」「寝たきりにならないようリハビリを続けたい」というニーズに応えられるのが老健の強みです。

特養との根本的な違いは?

特養は「生活の場」で終身利用が前提なのに対し、老健は「在宅復帰のための施設」で入所期間に限りがあります。
詳しくは特養と老健の違いを比較表で解説した記事もあわせてご覧ください。

老健の費用はいくら?内訳とシミュレーション

老健は入居一時金などの初期費用が不要で、毎月の費用は主に4つで構成されます。

費目内容
施設介護サービス費要介護度・居室タイプで決まる基本料金(自己負担1〜3割)
居住費(滞在費)家賃相当。多床室・個室・ユニット型個室で変動
食費1日3食分
日常生活費・その他理美容代・日用品費など実費

世帯年収800万円のモデルケースでは?

要介護3・自己負担3割・ユニット型個室・負担限度額認定なしの場合の月額目安です。

費目月額目安
施設介護サービス費(3割負担)約90,000円
居住費約62,000円
食費約45,000円
その他約15,000円
合計約212,000円

※地域や施設ごとの単位数により異なる概算です。

自己負担を軽減できる制度は?

「高額介護サービス費」は、月の自己負担が所得に応じた上限を超えた分が払い戻される制度です。
「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)」は、所得・預貯金が一定以下の方の食費・居住費を軽減する制度です。
該当するかどうかはケアマネジャーや施設の相談員にご確認ください。

医療費控除は使える?

老健は医療施設としての性格が強いため、自己負担額の大部分が確定申告の医療費控除の対象になります(理美容代などの日常生活費は対象外)。
領収書は必ず保管しましょう。

次に読む: 特養との費用・条件を並べて見る→特養と老健の違いを比較表で解説(費用・入所条件)

老健の入所条件は?「要介護1以上」が基本

基本条件は「65歳以上」かつ「要介護1〜5の認定」です。
40〜64歳でも特定疾病により要介護認定を受けていれば入所できます。
要支援1・2の方は入所対象外です(ショートステイ・通所リハビリは利用可能)。

あわせて「入院治療が必要な急性期ではないこと」「リハビリで機能の維持・回復が見込めること」「本人または家族に在宅復帰への意欲があること」が入所判定会議で重視されます。
「ただ預かってほしい」という理由だけでは断られる場合もあります。

また、以下のようなケースでは入所が難しい、あるいは退所を求められることがあります。

  • 高度な医療処置が常時必要な場合: 常時点滴・人工呼吸器・透析などは対応できる施設が限られるため、希望施設への事前確認が必須です
  • 感染症がある場合: 結核や疥癬(かいせん)など、他の入所者への感染リスクが高い疾患がある場合
  • 集団生活が困難な場合: 認知症による暴力や暴言が激しく、共同生活が難しいと判断される場合

老健ではどんなサービスを受けられる?

  • リハビリテーション: 入所後3ヶ月間は「短期集中リハビリテーション実施加算」の対象期間で、週3回以上・1回20分以上の個別リハビリが推奨されます。理学療法(歩行・起き上がり・移乗などの基本動作)、作業療法(着替え・食事・家事などの生活動作)、言語聴覚療法(嚥下・発語)に加え、「トイレまで歩く」「食堂で自分で食べる」といった生活リハビリも重視されます。
  • 医療的ケア: 常勤医師による健康管理・服薬調整。インスリン注射・褥瘡処置などに対応する施設が多い。
  • 日常生活の介護: 食事・入浴・排泄の介助を24時間体制で提供。嚥下機能に合わせた食形態にも対応。
  • 認知症ケア・レクリエーション: 認知症専門棟を持つ施設や、季節行事・活動プログラムを行う施設もある。

「3ヶ月ルール」は本当?入所期間の実態

結論として「3ヶ月経ったら強制退所」ではありません。
老健では入所から3ヶ月ごとに、医師や専門職が集まり「在宅復帰が可能かどうか」を判定する会議を行うことが義務付けられています。

  • 判定結果「可」: 在宅復帰に向けた具体的な退所準備に入ります
  • 判定結果「否」: リハビリが必要と判断され、入所継続(更新)となります

この「3ヶ月ごとの見直し」があるため「3ヶ月で退所」というイメージが定着していますが、実際には半年〜1年程度入所する方も珍しくありません。
ただし目標はあくまで在宅復帰のため、何年も入所し続けることを前提にするのは難しいのが実情です。

近年は、家族の介護力不足や特養の待機待ちのために実質的に長期入所となるケースや、老健での看取り(ターミナルケア)も徐々に増えています。
ただし看取り対応の有無や長期滞在の可否は施設の方針に大きく左右されるため、長期を希望する場合は申し込み時に必ず確認しましょう。

特養・介護医療院・有料老人ホームとの違いは?

施設位置づけ老健との主な違い
特養終の棲家原則要介護3以上・終身利用。医師配置は老健の方が手厚い
介護医療院長期療養の場老健より医療機能を強化。重度の医療ニーズ向け
有料老人ホーム民間運営の住まい期間の制約がなく生活の自由度が高い。費用は施設により幅がある

次に読む: 長期の住まいを探すなら→特別養護老人ホーム(特養)とは?費用・入所条件を解説

老健が向かないのはどんな人?

  • プライバシーを重視したい方: 多床室が一般的で、共同生活が基本です。
  • 自分のペースで生活したい方: 食事や生活リズムは施設の管理下にあり、自由度は高くありません。
  • 退所を意識せず暮らしたい方: 定期的な退所判定があるため、次の行き先を常に考える必要があります。

老健への入所手続きはどう進める?5つのステップ

  1. 相談・情報収集: 入院中は病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)、在宅の場合はケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、条件に合う老健を探します。
  2. 施設見学: 雰囲気・スタッフの対応・清潔感に加え、リハビリ室の設備や訓練の様子を確認します。
  3. 申し込み・書類準備: 入所申込書のほか、主治医が作成する診療情報提供書や健康診断書などが必要です。診療情報提供書は作成に時間がかかる場合があるため早めに手配しましょう。
  4. 面談・入所判定: 施設の相談員や看護師が本人・家族と面談し、施設内の入所判定会議で受け入れ可否が審議されます。
  5. 契約・入所: 重要事項説明書や契約書を確認し、署名・捫印のうえ入所日を調整します。

老健には4つのタイプがある?在宅強化型・超強化型とは

老健は在宅復帰への取り組み度合いに応じて「超強化型」「在宅強化型」「加算型(基本型)」「その他(従来型)」などに分類されます。

在宅復帰率・ベッド回転率・リハビリ専門職の配置などの実績によって決まり、在宅強化型・超強化型ほど在宅復帰に向けたリハビリの体制と実績が充実しています。

タイプ特徴(目安)
在宅強化型・超強化型在宅復帰率が高く、リハビリ体制・実績が手厚い
加算型(基本型)在宅復帰支援の体制を一定満たす標準的なタイプ
その他(従来型)強化型・加算型の要件を満たさないタイプ

しっかりリハビリをして自宅に戻りたい場合は「在宅強化型」「超強化型」を、費用を抑えたい場合は従来型を、といった視点で施設を比較すると選びやすくなります。
見学時に「こちらは在宅強化型ですか?」と尋ねてみるとよいでしょう。

老健のメリット・デメリットは?

メリットとデメリットを整理すると、老健が自分に合うかを判断しやすくなります。

メリットデメリット
医師が日中常駐し、医療ケアが受けられる入所期間に限りがあり、長期の住まいには不向き
専門職による集中的なリハビリが受けられる多床室が中心で、プライバシーは確保しにくい
入居一時金が不要で費用を抑えやすい3ヶ月ごとの退所判定があり、生活が不安定になりやすい
利用料の多くが医療費控除の対象高度な医療処置や重い認知症では入所が難しい場合がある

老健に関するよくある質問

老健は何年くらい入所できますか?

原則は3〜6ヶ月ですが、3ヶ月ごとの退所判定で延長されることもあり、厚生労働省の調査では平均在所日数は約10ヶ月(300日前後)です。ただし長期入所を前提とする施設ばかりではないため、申し込み時に確認しましょう。

老健と特養はどちらがよいですか?

在宅復帰を目指してリハビリをしたいなら老健、長期的に暮らせる生活の場を探しているなら特養が向いています。詳しくは特養と老健の違いを比較した記事もご覧ください。

要支援でも老健に入所できますか?

入所は要介護1以上が対象で、要支援1・2の方は入所できません。ただしショートステイや通所リハビリは利用可能です。

老健の費用は医療費控除の対象になりますか?

はい。老健は医療施設としての性格が強く、施設サービス費・食費・居住費などの自己負担分の多くが医療費控除の対象になります(理美容代などの日常生活費は対象外)。領収書を保管しておきましょう。

老健の制約が気になる方には?桜十字グループの「ホスピタルメント」

「相部屋や入所期間の制約がある中で、費用が思ったよりかかる」と感じた方には、有料老人ホームも選択肢になります。

桜十字グループの有料老人ホーム「ホスピタルメント」は、全国で病院・クリニックを運営するグループが地域医療で培った経験とノウハウを活かし、医療機関との連携による「医療のバックアップがある介護」を提供しています。
居室は個室で、入所期間の定めなくお住まいいただけます。
医療依存度の高い方のご相談も承っていますので、老健との比較検討の段階でもお気軽にお問い合わせください。

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電話 : 0798-78-2164

ホスピタルメントは、全国で病院、クリニックを運営する桜十字グループが地域医療で培った経験とノウハウを詰め込んだ有料老人ホームです。医療機関との連携による「医療のバックアップがある介護」で安心の土台を支えます。

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