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老人ホーム豆知識

老人ホームの選び方

老人ホーム選び

老人ホームに入居する際には高額な入居金を払うケースもあり、慎重に選ぶ必要があります。老人ホームへの入居=終の棲家を決めるということでもありますが、状況によっては転居を余儀なくするというケースもあります。「こんなはずじゃなかった。」「もっとこうしてもらいたかった」と後悔しないようにポイントを押さえてしっかりと選びましょう。

どのような生活を望んでいるか考える

今の生活の中でどのようなことに困っていて、施設に入居した際にどのような生活を送りたいかをご本人と関係者にてしっかり協議して考えましょう。

条件を決めて優先順位をつける

費用

初期費用や月額費用をしっかり確認し、予算計画を立てましょう。また、介護保険を使用した際、自己負担割合(1割、2割、3割)によって費用が変わります。

さらに施設によっては介護度が高くなるにつれて、本来の介護度によって定められた介護保険の利用可能額を超え、追加料金が発生して最終的には退去しなければならない可能性もありますので必ず確認するようにしましょう。

立地条件

ご家族が通いやすいことも重要な視点です。また、ご本人が外出できる状態の場合は周辺環境や交通アクセスも確認しましょう。

  • にぎやかな環境が良いか、静かな環境が良いか。
  • 外出する際に散歩ができる場所や買い物ができる店舗があるか。
  • 最寄り駅までの移動手段(バス・電車・タクシーなど)は何があるか。
  • ご家族のお住まい、もしくは勤務先からの来訪を想定した場合の移動時間、距離、交通手段にどのようなものがあるか。
  • 車で移動される場合のアクセスや近隣に駐車場があるか。

運営法人

経営の規模や安定性、その会社の理念が実際の運営に反映されているかがポイントです。また、お客様の声にどのように対応されているかも確認しましょう。

介護体制

最も重要であることは希望する介護サービスを受けることができるかどうかです。例えば、日中および夜間の人員体制、自宅で受けたサービスが引き続き受けられるかどうかや規定の入浴回数を超過した場合の追加料金など、自費のサービス内容や料金も確認しましょう。

入居期間が長くなると入居当初の介護状態から変わることも多々あります。介護状態が重くなった場合の対応も可能か否か、その程度も含めて確認しましょう。

食事

日々の食事は施設の生活の中でも最も重要な項目の一つです。ご本人の好みや飲み込みの状態を踏まえたうえで、どのような対応をしているのか確認しましょう。施設によっては食事の試食ができるところもあります。

  • メニューのバラエティ、お一人おひとりの心身の特徴に配慮した食事形態であるか。
  • 管理栄養士による献立作成、料理人による食事づくりなど、ご本人の健康を食から支える体制が整っているか。
  • ご希望通りの個別対応が可能かどうか。
  • 食べやすい食形態の対応があるかどうか。

イベント・レクリエーション・サークル活動

生活の中で楽しみの源となる様々な活動は職員がどのような企画をして、どのような内容で行われているのかを確認しましょう。また、ご参加が難しい方にはどのような方法で対応してくれるのかも確認しておくと良いでしょう。

さらに、音楽療法や園芸療法などの専門職による活動を実施している施設もありますので、趣味や特技に合わせて問い合わせてみるのもよいでしょう。

生活支援サービス

病院付き添いや買い物代行など、どのようなサービスがあり、有料の場合は価格も確認しましょう。多くの施設では「病院受診はご家族で対応」というところが多いのでご家族のお仕事が忙しい方は必ず確認しましょう。

リハビリ体制

ご本人が積極的に参加するリハビリはどのようなものなのか、ご家族としてご本人にどのようなリハビリを受けて欲しいかを考え、それが実現可能なのかを確認しましょう。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ専門職種がいる施設も増えています。また、リハビリの目的が介護予防なのか身体状況の改善なのかも確認し、個別もしくは集団など実施形態も聞きましょう。

料金に関しては介護保険を使用する場合、介護付きや住宅型など施設によって異なりますのでご自身とご家族の希望に沿ったかたちで提供している施設を総合的に確認して決めましょう。

医療体制

ご本人に必要な医療処置や持病に対応できるかを確認しましょう。看護師が勤務する時間帯や具体的にどのような処置を行っているか、緊急時の提携医療機関や対応方法も確認しましょう。必要に応じて看取り対応の可・不可も聞きましょう。最後に今後、医療依存度が上がっても対応してもらえるかも確認しましょう。

メンテナンス・清潔感

施設の清潔感は衛生管理の観点からも大事な要素です。写真ではわかりにくい部分なので実際の見学で異臭がなく掃除が行き届いているかどうか確認しましょう。施設で働く人員が足りているかどうかを判断するポイントでもあります。

共有スペースの設備や居室

希望する生活スタイルに必要な空間や設備の有無の確認も必要です。例えば読書や映画鑑賞のような趣味を楽しむスペースや必要であれば飲酒・喫煙を行えるスペースについても確認しましょう。

自由度

施設によっては自由に外出できなかったり、面会の時間制限が厳しく家族や友人が訪問に来るのが難しくなったりする施設があります。自宅と変わらない生活を送りたい、友人との交流を続けたいという方は特にきちんと確認が必要なポイントです。

上記のように様々な条件から考慮することも大事ですが、すべての条件をかなえるのは非常に困難です。必要な条件と希望する条件に分け、優先順位をつけて施設を選ぶことが大切になります。

老人ホームを探す

手段はいくつかありますが、まずは担当のケアマネジャーに聞いてみましょう。担当のケアマネジャーがいない場合は近隣の地域包括支援センターに聞くのもよいでしょう。地域包括支援センターは自治体が民間に業務を委託し、高齢者の介護・医療・保健・福祉についてサポートしてくれる総合窓口です。

その他にインターネットを活用することで目的の施設のホームページを検索する方法や全国の高齢者施設を紹介するサイトで希望条件を指定しておすすめの施設を探す方法もあります。

また、施設を紹介してくれる業者もありますのでご自身で探すことが大変な場合はそのようなサービスを利用することも検討できるでしょう。

老人ホームを比較する

施設の特徴や強み、ご自身に合うかどうかなど予め決めた条件に従って見学する施設を決めましょう。施設によっては入退去条件も異なりますので事前に概要を確認したうえで、詳細は見学の際に施設の管理者や相談員に確認すると良いでしょう。

老人ホームを見学する

最低でも2施設、可能であれば3施設を見学して比較しましょう。その際には優先順位を付けた条件をもとに気になるところを直接聞くと良いでしょう。施設のスタッフの立ち居振る舞いや対応、挨拶、既に生活されている方の雰囲気の確認も大切です。

老人ホームに体験入居する

希望する施設が決まったら可能であれば本契約する前に体験入居をすることをおすすめします。体験入居をすることによって見学では見えなかったところも見えるようになります。もし、合わなかった場合は比較した際に他に候補として挙げていた施設も視野に入れて改めて検討しましょう。

これらのステップはすべて大切です。すべてを確認したうえで施設を選ぶと今後の施設での生活にも役立つでしょう。最も重要なのはご本人とご家族が安心し、ご本人が楽しく生活できるかどうかです。施設のサービスが良ければご本人の健康寿命も延び、楽しい施設生活を送ることができるでしょう。

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